第5回 書店員勉強会
前回は、立ち飲みスタイル酔いどれ勉強会でした。
予定していた課題、実は全然こなせていなかったのは内緒です。
さぁ、今回こそできるかな?
メニュー
・昨今雑誌状況
・本+αの付加価値
・THE連想ゲーム
・めがねっこ書店員
・さっカフェ打ち合わせ
・本を使ったゲーム リハーサル
まずは恒例の雑誌トークから
〇最近、装飾がハンパなくて雑誌タイトルが読みづらい。「ちゃお」「ジャンプ」が特に激しい。半分以上の文字が隠れちゃってる場合もある。いいんですかね?
〇休刊誌、実感覚として増加中。サイズ違いとか出してる場合じゃないと思うよ、本当に。
〇宝●社さんの雑誌付録あるある。例:2回使ったらぶっ壊れたらしい(小声)
〇雑誌のフェアとして高単価の専門誌を推してみたいが、既に専門分野ほど情報入手に電子化が進んでいて、新たな購入顧客を招くための良いアプローチ方法思い浮かばず。
〇本に何か付加価値を付けて、本体+αの価格で販売することがOKになったら何を付けようか?(余談ですが、昔ムラサキスポーツのショッパーが流行しましたよね。あれの書店版ムーブメント来ないかなぁっていう野望)
〇今時期に組むフェアを考えていた(はずの)書店員たちの連想ゲーム
- 釣り。お、いいね。釣りやる人はジャケットのポケットにパズルの本入れるよね。え?じゃあ一緒に置くか。釣りと言えば渓流釣りも良い時期だね。お、車中泊とかも良いよね。あ、それならキャンプの本も一緒に行けるよね。
【結果】釣り本+パズル+アウトドア
- 刀剣乱舞まだいけるかな?とうらぶは最近スピリチュアルに流れるらしいで。具体的には山。え?登山?そだね。最近はアイドルが登山する企画みたいのもあるらしいで。へぇ、じゃあ山ガイドかね。
【結果】刀剣乱舞+山ガイド(うーん、やや無茶感w)
〇書店員さんはメガネ率が高い。
「賢そうに見えるから」なんて理由で掛けている人は誰一人として居ない。では、何故か!
店内、紙相手なので空気乾燥していて、意外と埃まみれで汚い空気。目にはしんどい環境。よってコンタクト無理。という訳でメガネ女子!メガネ男子!(ってことなのでは?という一説)
〇さっカフェについて。カフェブース、配線、飲食提供システム、飲食ブース、タイムスケジュール、進行イメージ、来客ターゲット、等々あとは当日のお楽しみ★
〇本を使ったゲーム。数行のお題の文章からイメージする回答を店内の本から探してくる大喜利大会。やると聞くとでは大違い。ビックリするくらい面白いよ♪
というような内容でした。
はい。第3回勉強会に「次回持ち越し」と言っていた議題は結局今回も果たされることはなかったのではありますが、そこはほら、根はきっとマジメな書店員たち(のはず)なので、後からちゃんと回収しますよ。
目指せ!「Otone」の限界!(笑)
でも、その前に次は待ちに待った書店員たちによるイベント「さっカフェ」のレポートです。
乞うご期待です!
イベントのお知らせ
書店員の勉強会で、ふと誰かが言いました。
「みんなでイベントとかできたら面白いのに…」
ということで、会社の垣根を超えた「書店員たちのコラボ企画第1弾」が6月23日(日)、かの書房で開催です!
その名も「さっカフェ」。
内容は現在、書店員の勉強会でもんでいるところですが、
・その一日だけ靴を脱いで上がるスタイルに変更
・淹れたてのコーヒーとおいしいお菓子が食べられる
・希望者がいれば「本を使ったゲーム」ができる
・本も買える
(もしかしたら作家さんに会えるかも?)
というカフェスタイルなイベントになる予定です。
(参加費もいただく予定です。申し訳ありません)
書店員関係ないじゃん!と思った方「書店員だから本にまつわるイベントをする」のではなく「書店員の好きなことを、本屋で、イベントとして行う」ということがポイントなのです。
カフェ部門(コーヒー&お菓子)を考える書店員がいて、当日どんな作業がある?と考える書店員がいて、本を使ったゲームを考える書店員がいます。
書店とは関わりのないように見える作業でも、その中から面白いフェアのヒントが見つかったりするのです。
そしてなにより、めったに起こらないであろう「所属先の違う書店員たち」が合同でイベントを行うことに意味を感じています。
同じ「本」を売るのですから、もちろん競合店ではあるけれど、でも、敵ではない。
本が売れないと叫ばれる今、他所の会社は敵だなんて言っている場合ではない。
お互いに切磋琢磨し合うライバルで、でも力を合わせたら面白いことができる。
それが一回、二回と回数を重ねていくと、もしかしたら全国に広がって、各地で書店員のコラボの企画が行われるかもしれない。
まずは一回やってみようと、それぞれが抱える仕事の合間に「さっカフェ」の準備が進んでいます。
次回勉強会(5月26日)で最終的に内容や参加費が決まりますので、その際にまたご案内したいと思います。
続報をお待ちください!
第3回書店員勉強会
新しいフェアの作り方を考えてみましょう
前回「やっぱりオリジナルのフェアのある書店の方が面白いよね」という話から
今回「では、新しいフェアの作り方を考えてみましょう」と同時に「30歳OVERに読んでほしい本も各々紹介してみましょう」という事で、7名の書店関係者が延々と語り合ってみました。
30歳OVERに読んでほしい本も各々紹介してみましょう
一粒で二度おいしい本を用意するフェア
トップバッター①の人は
「あなたが変わるまで、わたしはあきらめない」井村雅代 を紹介。大人として他人との接し方を説く本ながら、中学生くらいの子が読んでも自身のメンタルトレーニングとして有効な本とのこと。
つまり、狙ったメイン客層以外にもアピールできるような一粒で二度おいしい本を用意するフェア。
レベルの高い読書家書店員に挑戦してほしい高等テクニックです。
3つのフェアを同時に。 雑貨とか食器を合わせたフェア展開
お次②の人は、春だもの。30代だって何かに挑戦したくなるよね。だけど、いきなり難しいことやって毎度挫折するじゃん?だから、ちょっとハードル下げて始めようよ。という趣旨で、
「UD(ユニバーサルデザイン)レシピ本」旭川印刷製本工業協同組合 を紹介。
なるほど。これなら、日々忙しいなりにも何となく時間がある30代の「趣味としてのお料理」を始められるかも。そして、この本に合わせたいのが、防災レシピ本と登山食レシピ本。
これらの本の素晴らしい所は、日常使いもできる本として紹介もできるし「春 新生活向け」「防災」「登山」3つのフェアを同時に組めてしまうところ。つまり看板だけ変えれば…うっしっし…ずぼらな書店員の悪い笑みが思わず浮かんできます。
そして「自炊力~料理(レシピ)以前の食生活改善スキル」白央篤司 が他書店員によりすかさず紹介されました。(この辺の臨機応変っぷりはさすが)
「これに雑貨とか食器を合わせてフェア展開すれば良い」との談。なるほど、確かに。雑貨展開しているお店は是非もっと柔軟に「雑貨の隣に書籍を!書籍の隣に雑貨をしれっと展開!」にトライして頂きたいです。
「転生もの小説の系譜を探れ!何がド定番なんだ?オマージュフェア」
③の人が紹介するのは「リアルに疲れたら。。。30代だからこそ、ファンタジー」をテーマに
「ドラゴンの飼い方『もしも?』の図鑑」伊藤 慎吾←なぜか完全にドラゴンが飼える気がしてくる。
「日本国召喚」みのろう←一風変わった転生もの。日本という国が転生してみた件。
とても素敵なビブリオ一人勝ちバトルだった為みんなすっかり読みたくなったのですが、ここで考えたフェアが「転生もの小説の系譜を探れ!何がド定番なんだ?オマージュフェア」。一体だれが最初に異世界に行ったのか?あやかし系のパイオニアって何だ?色々諸説あって喧々諤々(けんけんがくがく)していたら立派なビブリオイベントに大発展しそうで、白熱必須なフェアになりそうでした。
そして、
「今のままでいいのか?」フェア
④の人は過去にやったフェアをご紹介。「今のままでいいのか?」フェア
悩み多き男性サラリーマンへ向けて「ひとりビスネスの教科書」佐藤 伝 などを展開し、なかなかの好感触だったとのこと。今は特に、やれ副業だ、やれ起業だ、と在宅ビジネスに熱い視線が注がれてますものね。人の心理をついた良いテーマのフェアだと思います。
「少年少女の恋愛感情に振り回されたい大人へ」フェア
⑤の人は「少年少女の恋愛感情に振り回されたい大人へ」フェア。
「オネスティ」石田衣良←切ない
「しろいろの街の、その骨の体温の」村田沙耶香←え?小学生なのに?
確かに日常的に感情が固くなってきた人にはこういう体験も良いかもしれないです。
じゃあ、これを更にもっと面白いフェアにするにはどうしたら良いか?
年齢で区切らず、目的ごとにしたらどうだろうか?
年の差、不倫、略奪 等々で分類分けしたフェア展開
おおっ!ググっと大人向けになって何やら妖しい感じが良くないですか?
など忌憚のないアイディア合戦が繰り広げられました。
「自分のやりたい場所を作る」フェア
⑥の人は「自分のやりたい場所を作る」フェア
何かを始める、自分の好きを伝えるに当たって、実際にその好きを伝える場所を作った人に焦点を当てた本。
「へろへろ」鹿子裕文←宅老所の作り方で元気が出てくる
「人が集まる「つなぎ場」のつくり方」ナカムラクニオ←ギャラリーやBOOKイベントなど集う場所をどう作るのか?
俊カフェ、ゲストハウス「わや」などビジネス<場所 という流れが目に見えて顕著になってきた昨今。時代に沿ったフェアだと思います。
禁断のフェア爆誕
途切れることのないトーク。
盛大に脱線した我々がついに覗いてしまった禁断のフェア。
その名も「ネタバレ フェア」が爆誕。
分類はあえて内容をガンガン見せていく方向で!
例えば、
ミステリーなら(トリック別。動機別。犯人別。なんなら死者数ランキング別)
恋愛なら(恋に落ちたページは123Pです!とか)
怪談・ホラーなら(怖がらせる得意技別。私、呪うのが得意です。俺は全身腐ってます。とか)
裏切りものなら(犯人妹でした。母でした。誰それでした等。関係性別 等)
食べ物ものなら(食材全部書き出しました)とか、盗んだもの別に分けましたとか。
まだまだ出てましたが、どれもすごく面白いまとめ方でワクワクです。
しかし、これ集計取るのに凄まじい手間と時間が掛かるので、こういうものこそ全国の書店員の力を集結させて情報を集め、みんなでオリジナルのフェアを作っていけたら相当面白いのにね♪という非常に前向きな気持ちになった壮大な妄想フェア構想でした。
気楽に選択肢の幅を広げられるような時間となるフェア
ここで⑦の人がぼそり。「30代って何か色々見えてしまって、それが逆に視野を狭めている感もありますよね。何か気楽に選択肢の幅を広げられるような時間となるフェアがしたい」
「みえるとかみえないとか」ヨシタケシンスケ
見えない・聞こえない・動かないとかはそれを日常にしている人にとっては、普通のこと。~ないことを気の毒がっても、実は~ない人から見たらまるで違う事を思われれているかもしれない、という視点の選択肢の拡大と、
一般人、軍人、博士、ファティマという名の機械であり女性であり女神、そして神々。
膨大な人数のキャラクターによる様々な視点・思いが一筋縄ではいかない混沌した世界観のなかで、何でもありが許容される解放感、という社会的立場としての多様性の拡大。
これらの本にプラスできるような選書を即座に出来るのが書店員集まりの醍醐味。
「迷い鳥たちの学校 居酒屋すずめ」桜井美奈
居酒屋の昼時間を使って開かれることになったフリースクールに集まる、さまざまな背景をもつ年齢も性別もバラバラな面々。様々な葛藤の先にある少しだけ前向きな明日を見せてくれるこの小説はきっと読む人の背中をそっと優しく押してくれる一冊になるはず。という素晴らしい即興プレゼンにより、かの書房推し先生の本が加わりました。
意外と何でもアリではないんです
広がる選択肢といえば…「フェア企画って書店員個人の遊び心や裁量権が案外フルに発揮されることが多いよね」という話で、実際に行なうフェアを念頭に置いての話し合い。
30代は何かと健康志向になってきたりするお年頃。
「中性脂肪、コレステロール、血糖値、高血圧、云々。これさえ読んでおけばOK!というフェアが欲しいんだけど」というご希望について、あれこれ議論してみましたが、結果は「書店員の専門的な医学的知識には疑問あり、下手にお勧めするのは却ってリスキー」との見解に。そうなんです。本屋さんのフェア、尖がったことをする前にちゃんと考えないと、なのです。そういう意味で意外と何でもアリではないんですよ。
フェアの展開期間
ところで、
フェアの展開期間としてはどの位を目安とするのが良いのでしょうか?
- 1か月では短すぎる。
- 2か月でようやく浸透?
- 6か月では長すぎる。
- 5か月でもやや飽きるかも。
そんな訳で3か月ぐらいが良いのでは?
という意見に一同納得。
雑誌ではどんなフェアが組めるだろうか
勢い付いた我々の話は書籍だけじゃなく、雑誌ではどんなフェアが組めるだろうか?にまで拡大。
無難なところではバックナンバーフェア。
あとは料理系雑誌で特集の食材別フェア。
季節ものでもアイディア次第で組めそうかも?
旅行先特集号集めました。今日はなんの日?でその特集雑誌を集める(2/22にひたすら猫雑誌)。等々。
雑誌のフェアについてはやや難易度は高いものの、ここは文殊の知恵をかき集めて今後も考えていきたいね、という訳で次回持ち越し。
という訳で、今回はフェアについて延々と語りあう会と相成りました。
雑談多く、寄り道脇道紆余曲折しつつも一貫して本について熱くポジティブに語り合える場所として、この書店員勉強会の色が出てきたように思います。
月1回。オフの日なのに思いっきり仕事の話を!
役職・枠組みを脱ぎ捨て、いち本に係わる人間として熱く1日を過ごしてみませんか?
次回以降、皆様のご参加をお待ちしております。
【1分で読める】第2回書店員勉強会【まとめ】
今回の内容は主に↓こんな感じです↓
【トラブル解決に有効そうな方法は主に4つ】
★『自分の仕事内容を分かりやすく周囲に説明する』
★『やりたそうにしている仕事を一緒にやってもらう』
★『共通の目標に向かって共に努力する』
★『上司に相談する』
【かの書房店主の野望は】
札幌に個人書店を集めた書店複合ビルを建設し、文化的スペースを作ること。
【書店員今読んでる本は】
★太田紫織「昨日の僕が僕を殺す リュウグウノハナヨメ」
★江戸川乱歩「少年探偵団シリーズ」
★前田珠子「破妖の剣シリーズ」
★「BRUTUS 読書入門」
★澤江ポンプ「パンダ探偵社」
【北海道書店員アカデミー】
もしやるなら、店頭に立った時に役立つような知識を重点的に伝えたい。
【今やりたいフェアは】
★「全然違うジャンルの本を発端に語学書をアピールするフェア」
★「自殺がメインテーマのフェア」
書店員はフェアの話が大好物。
【書店から見た「買切」とは】
★粗利UP
★小さな版元さんを応援しやすい
★本屋さんを始めるハードルが低くなる。
つまり小規模書店へのメリットが大半。
【熱量ある棚づくりとは】
★独自性があること
★手間がかかっていること
★親しみやすいこと
★お店に行くたびに品揃えが違うこと
これらを維持する為には熱心な書店員一人に頼るよりも、色んな特技を持った書店員たちが協力し合う形があっても良いはず。
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こんなテーマで話し合った第2回でした。
もっと会場の雰囲気や流れを感じたい方はこちら
第2回書店員勉強会
北海道に住む書店員による書店員のためのお勉強会。本日は第2回目。
初めましてのご挨拶を前回済ませてある4人が和やかな雰囲気で談笑を交わしつつ、さてそろそろ開始のお時間ですかねといった矢先、「聞いてください!私、同僚スタッフから仲間外れにされてるんです(涙)」といきなりぶっこんできた物騒なネタ披露から本日の勉強会、さぁスタートです!
目次:
- 【 書店員スタッフ間トラブル解決方法 】
- 【加納ドリーム】
- 【書店員今読んでる本】
- 【書店員アカデミーをやるならば】
- 【やりたいフェア(こんな風にやってみたら?)】
- 【書店から見た「買切」とは】
- 【熱量ある棚づくりって何だ?】
サクッと読みたい方はこちら⇒(1分で読めるようにまとめてあります)
【 書店員スタッフ間トラブル解決方法 】
色んなお店で発生している対人トラブル。「今、スタッフ関係しんどい」と思いながら仕事している仲間は相当数いるんじゃないかな?それで辞めていく書店員もきっと多いよね?なんてもったいない…人員不足なんだしなんとかせねば…「では、どうしたら?」ということで皆で対応策を考えてみました。
その1『私は現在これこれこういう仕事を受け持っておりますアピール』
誰だって得体の知れない人間を理解しよう、近づこうとは思わない。よって、情報を開示して正しく自分を理解してもらい、大変さ具合を共感してもらえれば仲間意識も芽生えるのではないか?
その2『ごめん。これやりたい仕事だった?』
適材適所が一番良いに決まってますが、自分が好きなジャンルの担当になれる程本屋は甘くありません。つまり羨望・嫉妬の感情からトラブルになっている可能性もあります。
だとしたら「一緒に仕事、しませんか?」と巻き込むことも一つの解決方法なのでは?
その3『一緒に共通目的を持ちましょう』
青春少年漫画戦法です。ライバルだけど、あのでっかい敵を一緒に倒そうぜ!この際敵は何でも良いです。でも、出来ればお客様だとか他のスタッフじゃない方が美しいです。
その4『上司に相談致します』
違う視点で見てもらうと案外斜め上のところから解決策が降って湧いて出てくることも。
とりあえずこの4点が問題解決への行動選択肢となりそうですよ。参考になれば幸いです。
次回続報を待つ。次の手はまた皆で一緒に考えよう。
【加納ドリーム】
かの書房店主は言いました。「ビルのオーナーになりたいです」
なんと加納さん、札幌に個人書店複合ビルを建設する夢をお持ちらしい。
3階建て位の建物で、1Fにはカフェが入ってライターさんのお仕事や打ち合わせに使えるスペース、2・3Fに例えば1区画8坪程度の個人書店がみっちり入って、それぞれ得意分野で勝負する書店ビル。家賃・売上を折半するいわゆるシェア書店ではなく、あくまで一つずつが1店舗。版元さんが期間限定で実店舗を設けても面白い。「札幌にそういう文化的スペースを作りたいんだ!」
さすがです。持っている夢がでっかいどー。
ここで一人途中参加。自己紹介がてら
【書店員今読んでる本】
書店員A:太田紫織「昨日の僕が僕を殺す リュウグウノハナヨメ」
元々面白い本を書く北海道の作家さんって知ってたし、偶然目の前の商品がサイン本だったのでつい…。
書店員B:江戸川乱歩「少年探偵団シリーズ」
読み語りイベントで言葉に触れる体験をしてすごく読みたくなったので。
大昔に読んだ記憶が蘇り、急に読みたくなったので。
書店員D:「BRUTUS 読書入門」
本にマーキングしながら読む自分と同様のスタイルで読書する古市憲寿さんの記事が載っているし、面白そうな本が沢山載っていそうだったので。
書店員E:澤江ポンプ「パンダ探偵社」
ツイッターで他店POPを見て面白そうだと思ったので。
皆さん本の紹介している時、めっちゃ目が輝いていたの気付いてました?自分が出会った本をついついおススメしちゃうのは書店員の性ってやつなのかしら?
【書店員アカデミーをやるならば】
現場で働く書店員に求められている知識って、正直「魯山人が書いた本は次のうちどれだ?」みたいな文学史的なものは少なくて、お客様から得た「昨日だったかいつだったかの新聞に載ってた」みたいな少ない情報からいかに早くたった一冊のお探しの本に辿り着くか?という検索能力、そのための方法論的な知識の方が役立つものだったりしないだろうか?
もし、新人スタッフさんを救うべくこの北海道書店員の集まりでレクチャーすることがあるならば、より実践的なお問い合わせへの対処方法を教えてあげたいね、という総意を確認。
【やりたいフェア(こんな風にやってみたら?)】
案1「全然違うジャンルの本を発端に語学書をアピールするようなフェアを組みたい」
いいですねー。例えば、ドイツの本屋さんの話(ドイツでは書店員になるためには学校に行く必要があるらしいですよ)からのドイツに興味持った?行きたくなった?ドイツ語勉強したくなってこない?いい本あるよ。と繋げれたら面白い、との提案あり。なるほど。
案2「末井昭さんの『自殺会議』は面白いよ!あ、自殺というワードでフェア作っちゃう?」
例えばー、この人たちみんな自殺した作家なんです特集!とか、自殺の歴史をひも解く本を並べてみては?等々。なぜか流れるようにアイディアが湧き出てくる書店員たちの頭の中。
自分の店では出来そうにないテーマでも、例え他人の店のフェアであっても、あれこれ考えるのはかなり楽しい議題なのだという事が判明しました。
【書店から見た「買切」とは】
「返品できない」こんな当たり前のたった一つの条件だけなのに、我々書店業界にとって尋常ならざる存在感を放つ「買切」制度。
果たして書店から見た「買切」のメリットって何なんでしょうか?
答えは3つ。
①粗利UP、②小さな版元さんを応援しやすい、③本屋さんを始めるハードルが低くなる。
これって大型書店になるほどメリットが小さくなるのですが、他にもあれば是非教えて頂きたい!っていうか、やっぱりア〇ゾンさんの値引き云々はズルっこだよぉ(涙)
【熱量ある棚づくりって何だ?】
ナツヨム2018、奇跡の本屋 in 紀伊國屋書店札幌本店、過去に行なったオリジナル企画 等々を参考に検証したところ。
①独自性があること、②手間がかかっていること、③親しみやすいこと、④お店に行くたびに品揃えが違うこと
そうだね。まさにそうだよね。
そしてまず大前提として書店員の熱意が必要。これもそうだよね。ただ問題としては、この熱意ある書店員が一人で全部背負いこんでフェアを組んでいること。装飾だって自腹が大半。POPも「文章なら書けるのに」とか言いながら苦手な絵も描いて、人目を忍んだ残業でフェア入れ替えやって。「そもそもこのフェアの選書で勝負できるのか?」とか不安になりながら発注して…。
待って待って!ネットにはこんなにも沢山の書店員がいるんだよ?
他店のフェアを前のめりで組んじゃうような書店員がいっぱいいるよ?
じゃあ、手分けしてやる手があっても良いんじゃない?
その為の方策を今後我々は試行錯誤していきたいね、というお話。
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といったような事でやんややんやと盛り上がり、時計も見ずに白熱していたら4時間強も経過していました。
結果めちゃくちゃ楽しい時間だった第2回書店員勉強会。
第3回目、あなたも参加してみませんか?